老朽化構造物の健全度評価
我が国の社会資本整備構造物は戦後復興・高度経済成長に築造されたものが多く、それら構造物は築後50年以上経過し防災機能が著しく低下した構造物が多数散見されます。私たちは防災分野のエキスパートとして機能が低下した構造物の劣化診断を行い適切な補強・更新計画を提案いたします。
目視調査 | 対象構造物劣化全体像の把握 |
打音調査 | 構造物の剥離・厚さ・背面空洞の有無の確認 |
はつり調査 | 鉄筋構造物の腐食の確認・コンクリート中性化試験 |
コア採取 | コア抜き試料の強度試験・コア状態の確認・コンクリート中性化試験 |
亀裂調査 | 亀裂の長さ深さ・発生頻度・亀裂の段差 亀裂の開口(外力の有無) |
強度調査 | テストハンマーによる強度確認 |
非破壊検査 | サーモグラフィー調査(赤外線)・ファイバースコープ調査(内視鏡) |
背面空洞調査 | 構造物背面の空洞の確認 |
背面地盤調査 | 背面地盤の脆性進行の確認(背面地盤への貫入抵抗値の確認) |
構造物変状観測 | 不動点距離観測・傾倒観測・亀裂変状観測・背面空洞拡大観測 |
非破壊検査 ファイバースコープ調査(内視鏡)
構造物を破壊することなく最小径のドリル削孔による孔内にファイバースコープを挿入し躯体の厚さ・背面空洞の有無 厚さ・背面地盤の脆性進行を専門技術者が観察して補修・補強方法を提案いたします。
土砂化進行が認められる
対策工の提案:亀裂発生も軽微でモルタル吹付工自体の劣化進行も確認できなかったため、グラウトによる空洞充填を行い、軽微な亀裂には補修(エポキシ樹脂充填)、土砂化が進行し安定性が低下した対策として、土砂化進行厚さの確認後、機構解析を行い鉄筋挿入工による補強を提案しました。
非破壊検査 サーモグラフィー調査(熱赤外線)
構造物背面に空洞が存在すると熱伝導が悪く密着箇所と比較して温度が上昇します。広範囲の薄い構造物は背面空洞存在の有無をサーモグラフィーで観察することが効率的です。外気温が低い時間の撮影・外気温が高い時間の撮影・双方の温度差が大きい範囲を空洞範囲と推定し、推定空洞範囲は打音調査・削孔調査・ファイバースコープ調査で確認後確定します。
対策工の提案:上記モルタル吹付のり面は双方ともにモルタル厚さは確保されており、亀裂の発生も軽微であったため、グラウト材の空洞充填・亀裂補修・水抜孔の再削孔で今後も供用できると判断しました早期療法が構造物を延命します。